SPACEMOTH / FRIPIER ZOETROPE DIARY

fzパリ通信 #19 ドニ・ラヴァン in ベケット / お誕生日

🎭
心待ちにしていた
ドニ・ラヴァン in ベケットの舞台の日

"Fin de partie"
Samuel Beckett

Denis Lavant, Frédéric Leidgens

Théâtre de l'Atelier

St.MichaelのGibertで新書と古本を物色していたら、ベケットの"Fin de partie" を1€でみつけてほくほく

前回の旅で泊まった部屋のお向かいのカフェだったpetit clunyで休憩の後

今回のフランスでまだ訪れていなかった大好きなお店へ

唯一無二の小宇宙を隅々までたっぷり満喫して

モンマルトルの劇場近くのビストロでfoie de veauとロゼの夕食でふわっといい気分🍾


通りの人たちが集まって大騒ぎしていると思ったら、出窓から出た子猫が戻れなくなって、どうやって助けようかとみんなで思案していました

モンマルトルらしい風情があっていい通りだなあ🐈

Théâtre de l'Atelier

若いスタッフの方たちもとても親切で、とても雰囲気ある劇場、満席の中期待も高まります💗

舞台は、『ゴドーを待ちながら』以上に救いのない不条理劇だったようですが、ひと目でわかるドニの動き、カーテンコールでも誰よりも戯けて、ひょこひょこ飛び回りお辞儀をするラヴァンは小悪魔？天使のようで、すっかり幸せな気持ちになりました😈👼

そのまま帰るのも名残惜しく、深夜すぎのCafe Daguerreで夢の余韻を反芻🫧

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∵ 　∵ 　∵

🎂
またずいぶん時差が開いてきましたが、お誕生日は前から気になっていた "Chez Julien" へ

前菜のシュクリーヌとパルメザン、柘榴のサラダ
香水瓶のようなバルサミコとオリーブオイルをかけるとさらに風味豊かに

スズキのフィレもお野菜たっぷりでさっぱりと、デザートのmoelleux au chocolat はとろける美味しさ‥

スタッフみなさん思い思いのお洒落を楽しんでいて感じがよく、担当してくれた女の子は、超ミニの白いワンピース姿がとってもかわいかった🤍

レストランの前に、Pont Marie界隈をお散歩

Église Saint-Gervais-Saint-Protais
サン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会

長い時代を経て作られたのか、建築や作品が一角ごとに異なるスタイルになっていて、いつまでもいたくなるような美しい空間でした

新しい年も、すこやかで平和な一年になりますように🕯️🕊️

https://www.instagram.com/p/C9ufy4ZsU5Z/?img_index=1

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fzパリ通信 #18 スリ "YOYO" Pierre Etaix / スウェーデン文化会館 & OGATA

🎞️
ついに、ようやく？
スリに遭ってしまいました‥


日頃ぽやーっとしている自覚はあるので、十分気をつけていたはずなのですが、メトロからカフェを出るほんの2〜3時間のあいだに‥ どこでやられたのかもわからないという鮮やかさ！

蚤の市用にコツコツ貯めていた現金や、7月はオリンピックでメトロ料金が2倍に上がる(!) ということで30回分パンパンにチャージした交通カードなどなどが一瞬で消えてしまい、結構なショック‥🫨

最寄りのConcordeの警察に行くと、オリンピック会場真近なこともあり、忙しすぎて2時間は待つので、家の近所の警察に行った方がいいとのこと

翌日モンパルナスの警察で事細かに調書を書いてもらいましたが、絶対捕まらないだろうし、保険も効かないし、はああ🥲

‥と、でもここはフランス、盗る方も盗られる方もどっちもどっち、セラヴィーーという感じなので、怒ったり落ち込んだりしている時間がもったいないと、police近くのカフェのスペシャルバーガーで幸せを噛み締め、切り替えました👐🏻

そんなふうに思えたのも、すこし前に Pierre Etaix の "Yoyo" を観ていたおかげもあるのかも‥？

なにも持たず、放浪する喜びを思い出すヨーヨーの清々しさ🐘

(エテックス(エテ) はブレッソンの『スリ』のスリ役や、スリ演技の監修もつとめた奇術師でもあります)

‥と強がりつつも(🥺)

翌日素敵なおふたりとの朝カフェの約束へ

スウェーデン大使館のテラスで待ち合わせ、ということで向かったのですが、入り口は厳重な鉄扉で、どうも違うような‥


大使館ではなく、マレのスウェーデン文化会館のカフェだよ！ということで、40分ほどメトロを乗り継ぎ大廻りして到着🫨


どうも、わたしだけ水星逆行時期なようです🪐

(おかげで途中に古い映画のポスター屋さんを発見、今度ゆっくり行ってみよう)

スウェーデン会館テラスのカフェ

レモネードとキャロットケーキで気を取り直し、リカさんが身に着けていたアンバーのブレスレットを、お守りにとプレゼントしてくれました🥺

それからIRISさんの旦那さまが展示会をされている、パリの名所 "Ogata" へ
美しい建築と内装、展示に心が潤い


またいいことあるはずと言い聞かせ‥


爽やかで軽やかなおふたりとの時間に傷もすっかり癒えました🪽

ぷりさんと詩おりさんお手製の御守りにも護られています🙏🏻⚡︎

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fzパリ通信 #17 フォンテーヌブロー Thomery / "Contes de Printemps" Eric Rohmer

🌳
Thomery
大家さんがご自宅に招いてくれて、
パリから電車で1時間半ほどのChampagne sur Seineへ

古い石造りのとても素敵なお家と庭で、大谷さんの美味しい手料理にデザート、それぞれが持ち寄ったパンとワインにチーズで、午後中まったり🌿🥂

永遠にここにいたい‥ 天国のように幸せな時間でした

トムリーはフォンテーヌブローの城下町？ 葡萄作りで栄えた小さな村で、葡萄を育てるための石垣の小径からセーヌ川沿いの森を散策

エリック・ロメールの映画『春のソナタ』の舞台になっているそうです🎞️

大家さんのご友人もとっても素敵な方で、またまた嬉しい出会いに感謝の一日🍇

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fzパリ通信 #16 "C'EST PAS MOI" LEOS CARAX / パリ メンズ ファッションウィーク ヴァンサン・マケーニュ & ミランダ・ジュライ

🎞️
"C‘EST PAS MOI"
Leos Carax

(2024年 フランス)

at Les 7 Parnassiens

モンパルナスの劇場にて、ついに、まさかのレオス・カラックスの新作‥！

ロンドン留学時代、ちょうど "POLA X" が公開されると知って、ドキドキしながら休暇の一人旅でフランスに行ったのを思い出します‥


∵

パリに着いてすぐ、入ったカフェのギャルソンの方に「ポーラXが観たいのですが」と聞いてみたところ
(この時点でおかしいことはわかっています😶)

「ちょっと僕はわからないんだけど、あそこの人たちなら知ってるかも」と別のテーブルにいた3人組に聞いてくれて、パリスコープで探してくれたのですがわからず、、

「ごめんね、でもわたしたちもこれから映画を観に行くところだから一緒に行く？」と、ヴィム・ヴェンダースの『ブエナビスタ・ソーシャルクラブ』をご一緒することになりました


次の日も家に食事に招待してくれて話していたら、なんと旦那さまが映画『カミーユ・クローデル』でイザベル・アジャーニのお兄さん役、ドラマ『アンリ III』(不確か)のアンリ3世(主役)など、フランスの有名な俳優さんで、ドニ・ラヴァンとは演劇学校の同期、最近も近所の通りで会ったよ、とのこと‥


‥！

こんな近くに現実のドニ・ラヴァンがいるんだ、いつか会えたらいいなあ‥‥と感動していたのでした


そのとき撒かれた種子が、20数年後の今実っているのかな‥？というような、巡り合わせの不思議です♾️🌱


(結局 "POLA X" はロンドンの劇場で、衝撃を受けました)


(回想終わり)

そんな思い出と共にドキドキしながら観た新作は‥


カラックスのセルフ『映画史』とも言えそうな40分の目眩く音と映像と言葉のコラージュ

巨星ゴダール亡き今、こんなことをやってしまえるのは元「恐るべき子供」カラックスしかいないよね‥と
両手をあげて賞賛はできないかもですが、途中からあふれそうになっていた涙腺が、ラストで決壊しました‥ ずるい🥲

素晴らしい、何回でも観たい

映画館のお向かいで、お母さんと子供達、家の門と赤でコーディネートしていました

∵

夕食

モンパルナスの大通りに並ぶ "Le Dôme" や "Le Select" など作家や芸術家に愛された伝説のレストランを横目に、メトロで13区まで足を伸ばし、気になっていたバスク料理のお店へ

エスカルゴ、タコのトマト煮込み、鴨のパヴェ・ロックフォールソース、バスクチーズケーキ、と至福の満腹‥

このあたりは通りのあちこちが有名無名のグラフィティで埋め尽くされていて、独特の雰囲気です

そういえば映画『パリ13区』も観たいのだった！

∵　　∵　　∵

🎞️
彩水ちゃんと一緒にフリピエを期間限定ジャックしてくれている ぷりさん ( @soichiro_nakamura ) に
「パリのメンズファッションウィーク始まってますが街は賑わってますか？」
と聞かれて、そうなんだ！と初めて知り、さっそく街の様子を探りにいってみました⛸️

疎い & 気弱で写真は撮れませんでしたが、確かに街中には普段以上にお洒落なオムが多い気が‥


(カフェのお隣の紳士もバッチリ決まってます)

前日ショーをしていたルメールの店舗はバイヤーの方でいっぱいで入れず、

ショー当日のクレージュのお店ではレセプションパーティーで華やかな雰囲気

オープンしたばかりのDover Street Market Paris、建物とお庭をまるまる贅沢に使った素敵な空間でした

(お誕生日が近かったので、スニーカーをお買い物👟)

歩き疲れて最後 St.Paulのカフェテラスでひとやすみしていたら、ファッション雑誌から抜け出してきたような美女が何度も前を通ってくれたので、やっとそれらしい写真が撮れました📷

‥と、お隣に座った人が、ヴァンサン・マケーニュにそっくりで、まさかね、、と思いながらこっそり注目していたら、
「ちょっと申し訳ないんだけど、隣のTABACでタバコを買ってくるので、そのあいだ僕の荷物見ててくれないかな？　ほんの1、2分だから」とお願いされて、「もちろん」と


戻ってきて、幸せそうに煙草を取り出し、、ハッとした感じで「‥ごめん、ライター持ってないかな？」とまた聞いてきたので、たまたま持っていた家族が貸してあげました


もう、顔だけでなくファッション(ハート柄のゆる渋スウェットパーカ)も、声も話し方も振る舞いも、完全にギヨーム・ブラックの映画『女っ気なし』のマケーニュそのもので、最高にチャーミングなんですが‥
この方の写真を一番撮りたかった😆

(代わりに、ずっと夢の中にいるみたいに上の空だったカフェのギャルソンの写真を撮りました💭)

∵ 　∵ 　∵

🎞️
翌日
野暮用でまたDover Street Marketへ

ドーバーとリカさんのおかげでまた素敵なご縁に恵まれました♾️


ちょうどパリに来ていた御三方
塩屋の784JUNKTION CAFEのなおみさん、種土のゆみさん、IRIS bougieのえりさん

キャンドル作家のIRISさんとは遡ること11年前、ミランダ・ジュライの映画『The Future』のタイアップ企画で、元町映画館の未来さんが繋いでくれて、お店でコラボレーションのフェアをして以来

思わぬ再会と新しい出会いのParisマジックにうれし愉し‥🕯️🪄🔥

フェアのお知らせブログが出てきて、なつかしい‥

ミランダ・ジュライ "the Future" コラボレーション spacemoth/ fripier ZOETROPE x IRIS

http://spm-fz.spacemoth.shop-pro.jp/?eid=507

∵

この日はLa Fête de la musique (音楽祭)で、 土砂降りかと思えば燦々と太陽が降り注ぎ、街中いたるところで音楽が溢れていました


帰りのメトロで降りすごしたおかげで、"C'EST PAS MOI" の好きなシーン(BONNE NOUVELLE🫨) にも出会えた🎬

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fzパリ通信 #15 ファスビンダー命日 / イラン文化センター / シャンゼリゼ・フィルム・フェスティバル

🎞️
"In einem Jahr mit 13 Monden"
Rainer Werner Fassbinder

『13回新月のある年に』
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
(1978年 ドイツ)

at Cinéma du Panthéon

たまたま上映をみつけて、楽しみにしていたファスビンダー最大の問題作

体調復活したもののまだ本調子でなかった家族は遠慮するということで

(作品がかなりヘビーというのもあるかと‥わかります)

1人でバスに乗り込んだところ、お財布を忘れてきてしまったことに気づき焦りましたが、優しい運転手さんが "C'est pas grave (もういいよ)" ととりなしてくれたので、オンラインで映画のチケットは買ってあるし、まあいいかとそのまま向かうことに

早くに着いたので、ソルボンヌ広場でひと息入れて劇場へ

‥と、誰もいないのでおかしいなと思っていたら、マダムに「今日は土曜日で、あなたの観たい映画は月曜日よ！」と教えてもらってひとり大笑い
(よくある感じです)

お財布がないのでお茶することもできず、地図を見ながらリュクサンブール公園、ポールロワイヤルの美しい通りを抜けて、今度はこのカフェ行ってみたいなーなどとぷらぷら歩いていたら、

Chalamet for CHANEL の看板と共に、お馴染みの怒りん坊のおばさまのカフェが見えてきて、

カルチェラタンから家まで全然歩ける距離なこと、パリの地図がすこし頭と身体に馴染んできた気がしてうれしかった🐾

∵

気を取り直して月曜日、今度は家族も一緒に、ひさしぶりのお気に入りのベトナム料理屋さんで腹ごしらえの後、映画館へ

お隣の本屋さんもとてもいい感じでDVDも充実していたので、『パリ、18区、夜』がないか聞いてみると、
「映画館が運営している本屋だからできれば劇場で観てほしいのもあって、正直ソフトを販売するのには抵抗もあって、、ないんだよね」とのこと。

いい本屋さんです🎥

いよいよ本編、、と思ったら、知的な雰囲気の男性のトークがはじまり

「ファスビンダーの命日の今日、本来ならば女優のイングリッド・カーフェンにも登壇していただく予定だったのですが、体調不良のため残念ながら参加できなくなり、今日はわたくしのみのトークでお許しください」とのこと


ウェブサイトや劇場のポスターにも舞台挨拶のことは書いてあったのに気づいておらず、思いがけないスペシャルサプライズになりました🙏🏻

男性はカイエ・デュ・シネマの評論家の方のようで、上映後の質疑応答でもかなり濃密なトークが繰り広げられていたと思うのですが、またもやわたしの拙いフランス語力では追いつけず‥
その場の空気感だけ焼き付けてきました🌝🌚

満席の渋い劇場で観る久しぶりの『13回』はもちろん格別で、記念すべき今回のフランス劇場観賞4作品目となりました

https://www.instagram.com/p/C8rBsAvMEIl/?img_index=1

∵

🥪
この日もアリーグルのカフェで待ち合わせ

摘みたてたっぷりの美味しいミントティーで休憩してから

リカさんおすすめのVoltaireのサンドイッチ屋さんでお昼を買って、公園でまったりランチ

そしてデザートは、またJJ Hingsのアイスクリームにするか、

キャロットジュースに浮かべたピスタチオのアイスがいただける静かなカフェ、

どちらがいい？
ということで、カナル・サンマルタン沿いのカフェ・プーヤへ

サンマルタンの賑やかな雑踏から一歩足を踏み入れると、ひんやり静かで心落ち着く雰囲気

地下はイラン文化センターになっていて、展示や音楽の催しもされているそう

あいにくキャロットジュースが切れていたので、ピスタチオのアイスクリームとお茶をいただきました🇮🇷


こうしてゆったり語り合える時間が持てることに感謝🫖

∵

たのしみにしていた、シャンゼリゼ・フィルム・フェスティバルのポスターがメトロに🚇

(招聘作品にハーモニー・コリンの『ミスター・ロンリー』も入っていて、久しぶりに観たいなと‥ 今気づきましたが、だからビジュアルがマリリンなのかな💡)

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